『走る詩人』加澄ひろし です。
詩を書くことについての本を読みました。とてもよい本でしたので、ご紹介します。
若松英輔さんが書かれた『詩を書くってどんなこと? こころの声を言葉にする』という本です。
平凡社の「中学生の質問箱」というシリーズの一冊ですが、大人が読んでも十分に手応えのある良書です。題名にある 詩を書くこと にとどまらず、詩を読むこと や、詩を味わい、詩を感じ考えること に至るまで、詩に関する基本的で本質的なことが、平易な言葉で書かれています。
人は誰でも詩人であること、人は誰でも詩を書けることを教えてくれます。また、詩を書くのに形式も作法もないこと、詩は言葉で自分を表現することだという、詩を書く上で一番大事なこと を教えてくれます。
目次をご紹介します。
- 第1章 詩と出会う
- 第2章 詩情とは何か
- 第3章 詩を書く
- 第4章 詩を書くⅡ
- 第5章 詩を読む
- 第6章 詩学とは何か
- 第7章 詩を贈る
詩を書くことについて、少し知識を得たいと思ったのが、この本を読んだきっかけでした。自分が詩を書く中で、迷いと不安も感じていたからです。詩人の端くれとして、自分の思うところを確かめたいと考えたからでした。
この本を読むことで、詩人としての自分に多少なりとも自信を持ち、詩を書き続けることの意味を再確認することができました。また、詩を読み、詩を書き、詩を味わうために自分があるべき姿も、あらためて教えてもらったように思います。
僕は、著者である若松英輔さんのことを、まったく知りません。若松英輔さんの詩を、読んだこともありません。ですが、若松英輔さんの書かれていることは、すんなりと頭に入り、また、心と頭で共感することができました。中学生向けではありますが、大人である自分も、素直な気持ちで著者の思いを受け止め、共感することができました。
詩に興味のある方には、是非、お読みになることをお薦めします。詩に興味のない方も、この本を読むことで、詩を読んだり書いたりするきっかけになればと思います。
筆者へのメール:kasumi@tokyo.ffn.ne.jp
この本を読み終えてから、若松英輔さんのホームページがあることを知りました。リンクしておきます。