『走る詩人』 加澄ひろし

サブフォーを目指さない文化系ランナーの独り言

長野マラソン中止決定

『走る詩人』加澄ひろしです。

 

大変残念なニュースが飛び込んできました。今年4月18日に予定されていた『第23回長野マラソン大会』が中止になりました。

 

www.naganomarathon.gr.jp

長野マラソンのホームページ上には、中止の告知とその背景、そしてエントリー者への対応が発表されています。

 

中止の決定

長野マラソン大会組織委員会の2月2日の会議で中止を決定

 

中止の背景

新型コロナウイルスの感染拡大により、東京など11都府県に「緊急事態宣言」が再発令されていることなどから、大会を開く4月の状況が見通せず、参加ランナー、地域の皆さまの感染拡大防止など安全を考えての判断

昨年11月ごろから本格化した「第3波」の感染拡大が続き、「緊急事態宣言」期間も、一部地域を除く延長される見通しであり、(中略)数々の感染対策を行っても、全国から集まるランナー、運営に携わる3000人余のボランティア、スタッフ、沿道の皆さまの感染リスク、不安を完全に取り除くことはできないと判断

 

エントリー者への対応

・参加料(特別料金9,000円)を全額返金

・優先エントリー権を次回大会に持ち越し

・オンライン大会などの代替イベントを実施予定

・返金等の詳細については、決定次第公式HP、SNSにてお知らせ

 

大会組織委員会の苦悩がうかがえます。人気の大会ですから、首都圏を始め、全国各地からランナーが集結することでしょう。このところ、こうした本格的な市民マラソン大会がほとんど開催されていないこともあり、実際、県外からも多くのランナーがエントリーしていたものと思われます。

いかに感染防止の対策を講じたとしても、現在のような状況下で、地元の理解を求めながら、8000人規模のランナーを集めて、道路を規制し、ボランティアやスタッフの協力を得て、マラソン大会を開くことは難しそうに思われます。日程的にも、そのための準備を進めるためのギリギリのタイミングだったに違いありません。

 

エントリーしていた僕も、大変残念なことですが、仕方のないことと思いました。8000人のランナー全員が、中止の知らせに落胆していることと思います。でもそれ以上に、大会開催に向かって取り組んでこられた組織委員会のスタッフの方々が、悲しい思いをしていると思います。是非、代替イベント、そして、来年の大会開催に向けて、気を取り直してがんばっていただきたいと思います。

 

また、エントリーしたランナーへの対応は、誠意のあるものだと感じました。もちろん、全額返金されることについては、不満のあろうはずもありません。でも、中止発表の時点で全額返金を明言されたことは、ランナーの気持ちをおもんばかってのことと思います。

 

大会の規約には、こうあります。

1.災害、事件、事故、疫病等、主催者の責に因らない事由によって大会を中止・縮小することになった場合、中止・縮小を決定した時点までに生じた費用等を勘案し、対応策を検討します。(公式ホームページより引用)

 

今の時点であれば、ほとんど費用が発生していないはずです。だからこそ、今、中止を決定したのだと思います。11月にエントリーフィーを集めて、これまで支出は最小限に抑えてきていただいたのでしょう。現時点で判断することで、ランナーには全額返金できるように考えていただいたのだと思います。告知の最後には、次のようにメッセージされています。

 

新型コロナウイルス感染症が一日も早く収束し、国内外のランナーの皆さまが笑顔で長野マラソンにご参加いただけるようになることを心から願い、次回大会に向けて準備をしてまいります。引き続き皆さまのご支援を賜りますようお願い申し上げます。(公式ホームページより引用)

 

2年連続で中止になってしまったことで、ショックは隠せません。 昨年の今頃、コロナの影響がこれほどになるとは、想像していませんでした。昨年の大会中止が告知されたのは、3月25日のことです。2月の時点では、4月になればコロナが収束に向かっているだろう、と思っていました。次々とマラソン大会が中止になる中でも、長野マラソンは4月後半の日程だから、きっと開催されるだろう、としか考えていませんでした。でも今年は、4月になってもコロナがどうなっているかわからない、収束はとても無理だろうと、多くの人が考えています。

 

長野県は「緊急事態宣言」の対象地域になっていません。それでも、感染者数の状況は安心とは、ほど遠い状況です。

 

下のグラフは、昨年2月から1年間の長野県と東京都の感染者数の推移を、同じグラフに表してみたものです。人数の規模が違いますので、長野県の人数を左軸に、東京都の人数を右軸にとり、両者の変動が見えるようにしてあります。

  

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長野県は、首都圏と新幹線で直接結ばれ、東京から1時間程度でアクセスすることができます。豊かな山の自然に恵まれ、首都圏から身近に感じられる観光地です。グラフに見られるように、長野県の感染者数は、東京の感染者数の変動に敏感にリンクしているのです。『GO TOキャンペーン』の時期には、東京周辺から多くの観光客が長野県を訪れました。長野県は、感染者が集中する東京の影響を受けずにはすまないのです。昨年12月には、長野県選出の国会議員が亡くなられました。これもまた、東京と容易に行き来が可能な「地の利」が災いしたのでしょう。

 

今年の長野マラソンは中止になってしまいました。やむを得ないことと思います。とても寂しいことです。でも、また来年に期待しましょう。来年の長野マラソンは、きっと素晴らしい大会になるはずです!

 

筆者へのメール: kasumi@tokyo.ffn.ne.jp

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